この記事はこんな方にオススメです。

粘土質で木が育つか不安…



狭い庭でもシンボルツリーが欲しい



剪定せずに自然に形が整う木はないの?
21年6月時点で、わが家が育てている植物は家の屋内外合わせて107種類、合計163の植物にのぼります。植物には決していい環境とは言えない粘土質の土地に30本以上木を植えてきた経験から、求める条件別にオススメの木を紹介します。
こちら、東海地方。年に大雪が2回降る程度の暖かい地方です。ご参考される際には環境の違いもご考慮ください。



デメリットも理解してシンボルツリーを選ぼう!
ここに載っているリストは実際に見てきた中での独断と偏見が入っています。その点ご了承ください。
庭を作りながら「ここは何にしよう?」決めていくのも楽しいですよ(^^
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わが家の環境
土地は大昔川でした。そのため、地下4メートルほどのところには今でも水脈があるらしく、家を建てるときには地盤の強化をするために3Mの深さのコンクリートが60本以上地下にうまっています。しかも硬い地盤には達していなく、浮力で保っている状態…。
家を建てたときは外構は優先順位が低く、ほとんど行いませんでした。最初の4本のみ造園やさんにやっていただき、その他は自分の手で植えています(^^
粘土質の土での注意点
植えるときは土の改良は必須
掘るのがかなーーり辛い粘土質の土。晴れると地面がひび割れ、カッチカチです。そこで心折れて掘る範囲を狭めてしまうと根が伸びず成長できなかったり、根腐れを起こしてしまいますので、深さ幅50㎝ほどは掘り起こしましょう。背丈1mほどの小さな苗木でも根っこが広がるので行ってください。掘り起こした土に、川砂を多めに、バーミキュライト、赤玉土などで改良してから植えてください。また盛り土にすることで水はけも確保できより安全です。



わが家も何本か根腐れで
枯らしているので健康的に育てたい場合は“土の改良”は必須と考えてください
粘土質でやめたほうがいい樹木
私個人が思うに特にありません。強いて言うならば水持ちが良すぎるので水分が多いと根腐れしやすい乾燥地帯の植物とは相性は良くありません。ですが、しっかりと土を改良したら肥料も流れにくく水はけも良くなるため、あまり考えなくて良いと思います。21年からは湿気が苦手なアガベを地植えで育てるチャレンジをしています。
花苗も改良すればよっぽど大丈夫ですが、水はけが悪いと生育はよくありません。
シンボルツリーにオススメな樹種
わが家のシンボルツリーはコナラです。コナラは落葉樹でぐんぐん上に伸びてくれるので早く木陰を作りたい人に(*^^*)
幹がゴツゴツしてちょっと地味なイメージがあるかもしれませんが、秋にはどんぐりも出来て葉が爽やかです。


【条件1】剪定が少なく育てやすい樹種
アオダモ


野山に自生する小型の落葉広葉樹で、比較的ゆっくり育ち自然に品よく美しい樹形に育つので、自然風の庭づくりや、色を生かし明るい上品な緑が欲しい場所に。
日本の山地で自生しており、10から15mほどの高さまで育ちますが、成長はのんびりなのでそこまで達するに何十年と必要。昔から馴染みのあるアオダモは丈夫で日本の環境に合いやすく、管理の手間が少ないので特に雑木の庭に人気の樹種です。
野球のバットにも使われる素材で固く、木肌は明るいグレーでまだら模様、なめらかで優しい印象を与えてくれますので、落葉している冬でも楽しませてくれます。
灰色で青みがかった新芽から30cmから50cmほど春に伸びその年はそこからは伸びることはありません。写真の通り葉はやらかくやや薄い緑の葉でさわやかです。花は雌雄異株です。小さく繊細で白い花はあまり主張しないのですが上品なたたずまいがあります。
【基本情報】
- 落葉広葉樹
- モクセイ科トネリコ属
- 別名:コバノトネリコ
- 枝張:0.4ⅿ
- 花期:4-5月
- 熟す時期:10月
- 植栽適期:10-12月
- 栽培環境:日向(とよく本には書かれていますが、西日がある夏の日差しだと数年は水切れ起きやすいと感じます)
- 植栽可能な地域:北海道中部-九州




【アオダモを生かす植物】
- 低木:ミヤギノハギ、シモツケなど
- グランドカバー:斑入りヤブラン、キチジョウソウ、など




カエデ類
落葉高木で紅葉が美しい樹種です。日当たりのよい場所では赤みが強く、日当たりが望めない場所では鮮やかな若草色を保ちます。わが家ではイロハモミジを坪庭に植えていますが、薄暗い夕刻に鮮やかな葉とコントラストよく映えます。年40cmほど伸び、一本立ちでも株立ちどちらでも自然と美しい樹形になります。
秋の紅葉をいかすために背景を使いどれだけ際立たせられるかがカギになります。



常緑樹で緑の背景を作ったり、塀やフェンスなどの色でコントラストを付けると一層楽しめます。




【基本情報】
- 落葉広葉樹
- カエデ科カエデ属
- 別名:-
- 枝張:0.8ⅿ
- 花期:5-6月
- 熟す時期:6-9月
- 植栽適期:11月下旬-1月中旬
- 栽培環境:半日陰、渇きがちがを好む
コハウチワカエデはこのような↓


イロハモミジ↓


【カエデ類を生かす植物】
カエデ類は横枝が伸びることが多く、合わせる気にはやや大ぶりな低木を選択します。足元はリュウノヒゲや、シダ類を添えるように。
- 低木:ニシキギ、アジサイ、キハギなど
- グランドカバー:ベニシダ、リュウノヒゲなど
ニシキギ↓


ベニシダ↓




エゴノキ
日本全国にみられ、雑木の庭にも似合う自然樹形が美しい7~8mほどまで成長する落葉広葉樹です。丸みを帯びた葉があまり密にならずに少し光沢のある葉はさわやかな印象を与えます。周年変化が楽しめる樹種で、初夏5~6月に釣り鐘状の白やピンクの花を下向きにつけ、花が終わると白っぽい薄緑色の卵型の実をつけ、秋には果実が熟します(*1)。
生長が穏やかで、あまり高くならないので戸建て住宅に利用しやすいです。
やや日陰の湿ったところを好むので、日当たりの悪い場所や、周囲に囲まれた中庭などに向いています。合わせる樹木も葉色や花が落ち着いたものだと合わせやすいです。
植えている庭ではよくゴマダラカミキリが飛来しているのを見かけますので注意が必要な樹種になります。




【基本情報】
- エゴノキ科エゴノキ属
- 別名:エゴ,チシャノキ,ロクノギ
- 枝張:0.6ⅿ
- 花期:5-6月
- 熟す時期:10月
- 植栽適期:12-3月
- 栽培環境:日向、日陰よりは日向を好む




【 エゴノキを生かす植物】
株立ちに合わせる場合は、やや大ぶりな低木を選ぶと立体的になりやすい。
- 低木:ヒメウツギ、カシワバアジサイなど
- グランドカバー:ヤブランなど
ヒメウツギ↓


カシワバアジサイ↓


【条件2】花が魅力的な樹種
エゴノキ
上記に記載
ヤマボウシ
野山にみられる落葉広葉樹で、落葉と常緑どちらもあり人気のヤマボウシは花付きが抜群。5-7月にかけて開花し、多くは6月中旬に見ごろを迎えます。選抜種の「月光」は常緑ヤマボウシの中では抜群の花付きの良さで紅葉も。
ハナミズキの別名は「アメリカヤマボウシ」と言われるほど非常によく似た花を付けます。ハナミズキ同様あまり大きくならないため、庭木に向いています。違いとしてはハナミズキは4月に葉が出る前に花が咲き、ヤマボウシは5月に葉が出た後に花を咲かせます。
ヤマボウシは西日を嫌うので、東から南に植えましょう。ただし、街では西日がガンガン当たるところで育っているのを見かけることもできます。
球状の集合果の赤い実は直径1~1.5㎝ほど。果実は乳白色をした種子が1果に8粒入っていて、甘みがあり食べられます。




ヤマボウシ↓


常緑ヤマボウシ↓


【基本情報】
- ミズキ科ヤマボウシ属
- 高木
- 別名:ヤマグワ
- 枝張:1.0ⅿ
- 花期:5-7月
- 熟す時期:9-10月
- 植栽適期:2-3月
- 栽培環境:半日陰から日陰、湿度はやや湿ったところを好む
- 植栽可能地域:北海道南部-沖縄


【ヤマボウシを生かす植物】
株立ちは根もとも鑑賞対象になるので、隠しすぎないようにする。
- 低木:シロヤマブキ(白山吹)、アベリアなど
- グランドカバー:クリスマスローズ、ユキノシタなど
シロヤマブキ↓


クリスマスローズ




バラ
品種により病気に対しての耐性度が異なるため、初心者は病害虫に強いものを選ぶのが無難です。お子さんやペットがいる方はとげがない品種も選ぶことが出来ますよ。新芽はアブラムシが寄ってくるので防除必須です。
香りの強いものからローズオイルは香水の原料やアロマセラピーに用いられ、花弁を蒸留してできる液体のローズウォーターはデザートの香りづけに用いられたり、煮詰めてバラジャム、ハーブティーなど様々な加工で楽しめる。



予防の薬を行っていないわが家は黒点病によくなります…


予防の薬を行っていないわが家は黒点病によくなります…




しのぶれど↓


【基本情報】
- バラ科バラ属
- 樹形:木立性(ブッシュ)、半つる性(シュラブ)つる性(クライミング)
- 枝張:品種により
- 花期:春秋、または四季咲き
- 植栽適期:大苗は極寒期を避け10月から暖かくなる前まで、新苗は霜がおりる心配がない4月中旬-6月
- 栽培環境:日当たりと風通しの良い場所
【条件3】目隠しにできる一年中緑のある常緑樹
常緑樹は一年中緑を保つので、葉があまり落ちません。目隠しに使いやすいです。ただし、葉がずっと落ちないわけではなく、成長はしていくので一年中ゆっくり更新されていくイメージです。
オリーブ
常緑広葉樹で、表が深緑、裏が銀色ぽい厚く細い固い葉を持ち洋風の庭によく合います。葉の形や、樹の成長が開帳型や縦に伸びるもの、実ができやすいものなど様々な種類があるため使い分けが出来る。混み合う枝が出るので、剪定をした方が美しく育ちます。
花は5-7月に前の年の枝の脇から出し、実を楽しみたいときは自家受粉しやすい品種か、同じ系統の二種を植えます。
相性の良いローズマリーは木質化してくるので、キッチンガーデンで使用する場合はこまめな選定(使用)を。


【基本情報】
- モクセイ科オリーブ属
- 花期:5-7月
- 熟す時期:10-11月中旬
- 栽培環境:日向
- 植栽可能地域:関東-沖縄
シマトネリコ
生育旺盛。常緑広葉樹ですが暖かくなってきた4月頃に葉が黄色くなり少しずつ落ち、順に入れ替わります。葉は光沢があり、固いですが葉が小さく密ではないためさわやかな印象を持ちます。
5月頃に宮司さんが持つ様な鈴に似ている花は白~クリーム色で細かい集合体のようになって枝の先を覆います。花期は土の表面を覆うほどの量になることも。
成長速度が速いので広さが確保できる場所に植えます。同じように成長速度の観点や、病害虫に強い観点から、値段が他の樹種に比べお手頃価格なのも魅力で多くの家に植わっています。





写真は6月中旬、花が満開です。花期が長い気がします


【基本情報】
- モクセイ科トネリコ属
- 別名:タイワンシオジ
- 枝張:0.6m
- 花期:5-6月
- 植栽適期:春、秋
- 栽培環境:日向-半日陰、湿度はやや高めを好む
- 植栽可能地域:東北より南
【条件4】庭の印象をガラッと変える樹種
庭に一つあると「あの樹はなに?」と聞かれる樹たちです。シンボルツリーで植えると印象が決まります。
スモークツリー
カラーリーフがのっぺりした庭にアクセントを与える。落葉樹で丸い葉が可愛く洋風にも和風にも合います。スモークツリーはウルシ属に近縁な、雌雄異株の落葉樹です。ケムリノキ(煙の木)とも呼ばれ、初夏に咲き雌木の枝先につく20cmほどの花序は、終わりに近づくにつれフワフワで綿菓子のような触り心地です。雄木は花序が短く煙状にはなりません。横に広い円形の樹形が美しく、新芽は鮮やかなパープル、6月頃になってくると葉はだんだん緑色に、秋には紅葉も楽しむことができます。育っても3~4Mなので制限がある庭にも、手入れしやすい高さです。




スモークツリーの品種もいろいろあるんですよ~♡


ナツハゼ
花は初夏に咲き釣鐘型で、日本のブルーベリーと呼ばれる実が出来ます。春から初夏の葉は赤く紅葉したような姿です。秋にももう一度紅葉し冬は落葉ますので、年中様々な表情を見せてくれる魅力的な樹です。成長しても2~3mなので高い木が植えられないお庭にも。暴れず、圧迫感が無い、生育が緩やかで大きくなりすぎない。


マルバノキ
その名の通り葉が丸いのが特徴ですが、丸いといってもハート型に近い。1~3mほどの落葉低木です。葉は日当たりが良いところでは秋には紅葉します。半日陰だと、緑、黄、赤の葉が混在するので、好みにより植える場所を変えられるのも選びやすい。花は初夏、葉が散り始めるころに咲き始めます。咲き方が変わっており赤い小さな2つの花が背中合わせに咲きます。わが家のマルバノキは成長速度は年に何センチ大きくなったのだろう?というくらい緩やかな成長です。






クロモジ
落葉性の低木で、若枝の樹皮に入る黒い斑紋が美しく、文字のように見えることが和名の由来です。枝葉を折ったときの香りが良いので”つまようじ”にも使われています。まっすぐ上に伸びる幹は直径5~10cmと細身で2~5mほどの高さに生長します。成長速度はそれほど速くはなくゆったりです。




植える場所を事前に考える、管理が必須な樹種
ユーカリ
成長速度が速く、1Mほどの高さを植えて2、3年であっという間に手が届かなくなります。また選定が必ずと言っていいほど必要で選定しないとヒョロッとして、風になびくよりもイメージとしては風にもってかれるくらいしなります。また幹は指ほどの太さが地植え後3年で直径10cmほどまで成長します。葉はハート型でとても可愛いので、ドライフラワーのアレンジに使えるのですが、なんせ量が半端ないです。植える際は場所の確保と、こまめな選定の覚悟が必要かと考えます。






コニファー
中が蒸れやすくお手入れ必須です。思ったより大きくなるので場所の確保を。



中にアシナガバチが巣を作ってた…(´;ω;`)


さいごに
メインのシンボルツリーについて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?ここに挙げているものはシンボルツリーだけでなくとも魅力的な樹種です。
今はシンボルツリーという限定しておらず、低木と組み合わせてお庭を作ることが多いですね。
載せている組み合わせも参考になれば嬉しいです。
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