災害が起きると途端にダウンしてしまうトイレ事情。自宅に避難していても、トイレが使えるとは限りませんし、避難している場合、大人数で数少ない仮設トイレを使用するため、悲惨な状況になります。
今回は、特に大事と言われるトイレの備蓄で、私が最強と思っているものと、Amazon・楽天市場それぞれ1位の高評価の非常用トイレセットの中で、どれか最強か検証しました。
防災グッズで必ず準備するのは災害時のトイレ
汚部屋だった過去から、家を片付けてある程度まで行くと、次に頭に浮かぶのは「防災」でした。片付いているけれど、もちろん家の家具なんて固定していなく、トイレの備蓄はゼロ。
単なる片付いた部屋だけで、家族を守れていないことに気づいた
※片付けは火災や転倒防止など一部の防災には繋がるので、整理整頓は大事です
自宅避難をする場合、家の防災の順番は下記のようになります。
- 家具固定(整理整頓含む)
- 食料・飲料水とトイレの備蓄
- その他あったら便利なものの備蓄
こんな状態のトイレ、使いたいですか?
内閣府の防災担当が平成28年に出している「震災後における避難所等のトイレ」です。この中で、発災から3日以内に避難所に行き渡らせられた自治体は34%にとどまると記載があります。
ココを子どもたちに使わせるのは…
数少ないトイレに人が殺到し、発災から数日間で、トイレが排泄物の山になり、劣悪な衛生状態となったところも少なくありません。
だったら、すぐにでもトイレを準備しましょう。
検証する3つの非常用トイレセット
トイレに被せて使用するタイプのセットです。
なお、トイレ自体が壊れたりしてしまったときのために、検証では簡易トイレに被せて使用しています。
まずはざっくりどういうものが入っているか見てみます
BOS非常用トイレ (4点セット)
もう10年近く子どもたちのオムツの防臭袋を使用しているBOS。防臭袋が優秀だからと信じて、100回×3セットを一気に買いました。
BOSはクリロン化成株式会社の中のシリーズ名です。高機能な袋を製造していて、もともとは医療向けに便を収容する袋を開発してきた会社だからこそ、その実力は折り紙付き。
段ボールを開けてみると、防臭袋・凝固剤・汚物袋・便座カバーの4つと、取扱説明書が入っています。
15年保存ができ、驚異の防臭袋を使用しています。
保管時は段ボールのままでOK
\100回分の内容/
- 驚異の防臭袋BOS(白)100枚(35cm×50cm マチ付)
- 凝固剤 100袋(アルミ包装) ※1袋あたり10g
- 汚物袋(黒)100枚(70cm×70cm) ※開口部の外周140cm
- 便器カバー(青)5枚(65cm×80cm) ※開口部の外周130cm
- 取扱説明書 1枚
安心のお守りトイレ
BOSが最強って安易に考えすぎ…?
と急に不安になり、追加でAmazon・楽天でどちらもレビュー3,000件以上・レビュー4.5以上の2つの商品をお試しで50回分ずつ購入しました。
楽天市場で圧倒的に評価得を得ているのは、安心のお守りトイレは、抗菌凝固剤が使われています。消臭効果99.8%以上と購入時の商品ページに記載がありました。
\50回分の内容/
- 凝固剤X50回分
- ポリエチレンビニール手袋 X100枚 (50組)
- 排泄用袋(黒色)X50枚
- 便座カバーX2枚
- 防臭袋X5枚
Qbitいつでも簡単トイレ
Amazonで圧倒的なレビュー数と評価を獲得しているのは、Qbitのいつでも簡単トイレです。
防災士と共同開発し、こちらも15年保存が可能なセットです。なんと、緊急時に困らないように、別でお試しセットが付いています。
今回の検証にはお試しセットを使用しました
折りたためる簡易トイレ
使用する組み立て式の簡易トイレはこちらです。体重100kgまで座ることができるので、子どもから大人まで使用できます。
折りたたむとコンパクトになるのはもちろん、単なる箱として車の備蓄品を入れて車に積んでおくことも。SサイズとLサイズがあり、私が購入したのはSサイズです。
セットには、本体、凝固剤×12枚、排泄袋×12枚、収納バッグ、取扱説明書が付いています。
BOS・安心トイレ・Qbitの比較表
ざくっと検証する3つをわかりやすいように表にまとめました。
写真の位置が表と一致してないです。すみません
BOS非常用トイレ | 安心のお守りトイレ | Qbitいつでも簡単トイレ | |
---|---|---|---|
総合評価 | 防臭効果がある | わが家のトイレには サイズが合わない | もう少し防臭力があると |
楽天市場 | レビュー数は少ない | ||
Amazon | レビュー数は少ない | – | |
Yahooショッピング | レビュー数は少ない | – | レビューなし |
保管期限 | 15年 | 15年 | 15年 |
セット内容 | 驚異の防臭袋BOS100枚 凝固剤 100袋 汚物袋100枚 便器カバー5枚 取扱説明書 1枚 | 防臭袋5枚 凝固剤50回分 排泄用袋50枚 便座カバー2枚 ポリエチレンビニール手袋50組 | 防臭袋2枚 ビニール袋50枚 凝固剤50個 便器カバー用2枚 ポリエチレンビニール手袋50組 |
防臭効果 | 3日までなら | 1日目でも… | 1日目でも… |
コンパクトさ | |||
袋の大きさ | 余裕がある | 小さめのため 手で縛る際は気を遣う | 普通にOK |
手持ちの組み立て 簡易トイレとの相性 | すっぽり | 被せられない | 普通にOK |
購入先 | 購入先 | 購入先 |
レビューを見ても「使用していないですが、使わないときを信じて★付けます」などが多く、実際に使ってみている人は数少なかったです。Qbitはお試しが付いているため、レビューには実際に使用した方もたくさんいらっしゃいました。
並べてみてわかったのですが、防臭袋の枚数と、手袋の有無が違いますね。
検証で、それぞれ防臭袋1枚ずつ使ってしまったので、安心のお守りトイレとQbitはもう残りわずか…
BOS非常用トイレ
しっかりと被せることができました。
黒い汚物袋は、便座の上にかぶせます
最初知らなくて、便座の下に被せてて…「これ跳ね返るから汚れるじゃん」と写真のようにしたら、これで正解でした。
正解にたどり着けてから良かったものの、なにごとも取扱説明書を見るのが大事だと改めて思いました。
Qbitいつでも簡単トイレ
BOSよりは小さ目でしたが、普通に被せることができました。
カサカサ音が大き目ですが、家の中から気にならないです
安心のお守りトイレ
残念ながら安心のお守りトイレは手持ちのSサイズの組み立て簡易トイレには、汚物袋を被せることができませんでした。(便座に被せる青い袋はできた)
トイレの便座にもかぶりませんでした
災害時には、このわが家にとって使いにくいQbitから使用します。
【検証方法】大便をし、1日ごとにニオイをかぎ防臭を確認
検証方法は至ってシンプルです。
トイレが使えない状況を想定し、別途購入した組み立て式の簡易トイレを使用します。
1回ごとにそれぞれの防臭袋に入れ、しっかりとしばります。
測定器は高かったのでやめ、私の鼻と家族の反応で行います。
検証時の気温は最高温度27度で、まだ梅雨には入っていないけれど、蒸し暑いかんかん照りの日が1週間続きました。
1.組み立て式簡易トイレで便をする
家族のだれかがトイレに行くタイミングで、組み立て式トイレを組み立て、袋を設置し実際に便を産み落とす。(プライバシー保護のため誰の便とはいいませぬ)
毎回組み立てから行うことで、災害時を想定しています。
組み立てから袋設置までにかかった時間は、60秒ほどでした。
子どもたちにも組み立ててもらったのですが、小学2年も4年もひとりでできました。さすがに3歳は難しかったです。
トイレの便座と簡易トイレの大きさはかなり違います。足元に近づくにしたがってすぼまっていた方が用を足しやすいですね。
形の違いはあれど、3歳から大人まで問題なく使用できました
2.凝固剤を入れ汚物袋をしばり、防臭袋に入れる
セットに入っている凝固剤を入れたら、固まるのを確認し汚物袋をしばります。
そのあと、これもセットに入っている防臭袋に入れ口をしばり、玄関に保管します。玄関と言えど、わが家は日がしっかり入る向きでガラス張りなので、室内ですが外の気温とほぼ同じ温度です。
3.1日ごとにニオイを嗅ぐ
1週間測定します
1日経過する度に、自身の鼻で測定していきます。
日が経つにつれ、家族からのクレームの数もどんどん増えていきました。
【検証結果】BOSが一番防臭効果があったがそれも数日
ゴミ回収が始まるまでを1週間とし、ニオイが我慢できる指数を1日ずつ数字にしました。
60を切ると玄関がニオイで充満し、30を切ると耐えきれず屋外のペール缶に入れるくらいです
\1週間を防臭袋でニオイを防ぎたい!その結果/
商品 | 評価 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BOS非常用トイレ | 100% | 90% | 80% | 50% | 20% | 20% | 20% | |
安心のお守りトイレ | 80% | 50% | 40% | 20% | 20% | 20% | 20% | |
Qbitいつでも簡単トイレ | 80% | 50% | 40% | 20% | 20% | 20% | 20% |
1日目:BOSは100%カットできている
1日目から、BOSの防臭袋がすごいと思いました。
数時間たった状態で、袋をゼロ距離で嗅いでもなんもニオイしない
他の2つについては、数時間後鼻を近くして嗅ぐと、袋越しにニオイがわかりました…。あれ、こんなにも違うのかと少しショック。
2日目:BOSとそれ以外では明らかに差が生まれた
BOSは「おお、そこに便がいらっしゃりそうなニオイが来た」くらいです。
他の二つは、「うぉ…もう無理レベル」でした。無理レベルになったものから、トイレ→玄関→屋外と移動させました。
1時間ほど外に置いておいたら、ハエが縛っている口のところに止まっていてびっくり。
ハエの能力すご
3日目:BOSでもキツイ
さすがのBOSでも、大便がある下部の方のニオイを嗅ぐとヴォエ~っとなるほど。
この辺からゼロ距離はダメになりました。
ニオイがきつく、室内(玄関)に置いておけたのは3日目までです。
4~7日目:屋外のペール缶へ
室内はさすがにきつく、リビングにも独特な臭いがしてきたので(公衆トイレとは別物のニオイ)、量が多いときに使っている、一次置き場の屋外ペール缶へ入れました。
ペール缶近くにいてもニオイは気にならなかった
ですが、1週間後にゴミ捨て場に持っていくときに開けたら、こみ上げるものがありました。
【結論】購入するならBOS一択だった
防臭袋がBOS以外は、数枚しか付属していない
防臭袋は他のセットには数枚しか付属していません。このため、尿や便をする度に、防臭袋をあけ、汚物袋を追加し、再度縛るという作業を繰り返すことになります。
精神的にも肉体的にもつらいときに、毎回ニオイを我慢して同じ袋を使い回すのは、エコですが回数が多いだけでに大変です。
BOSであれば数日持つ
ゴミ回収までの1週間ニオイが漏れない状態が理想でしたが、3日ほどで室内に置いておくのは限界でした。
ですが、この中ではBOSが一番日数が保ちます。
袋の大きさに余裕がある
災害時はゴミ出しができなくなるため、なるべくゴミは少ない方がいいですが、衛生面については別だと思っています。
BOSの袋の大きさは余裕があるように作られているので、手に便が付きそうになる心配もなく、使用できました。
BOS-SHOPの公式サイトで購入すれば、値段も大きく変わるわけではないですよ
断水時のために、わが家は防臭袋を追加で備蓄します
在宅避難であれば、ニオイや衛生問題は準備すれば小さくすることができます。
ということで、オムツではSサイズを使用していますが、高さ50×幅35cmのLLサイズを2箱備蓄することにしました。付属の防臭袋と同じサイズなので、使い勝手もわかってます。
\BOSのトイレセットの防臭袋と同じサイズ/
お試しで購入した50回分ずつの「安心のお守りトイレ」「Qbitいつでも簡単トイレ」の防臭袋の枚数が心元ないときや、缶詰やカップラーメンなどで残った汁など(できれば新聞紙などに含ませて)の入れ物にします。
衛生関連(トイレ)は優先順位高く準備していきましょう
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